2011年12月2日金曜日

ニコニコ動画は時代の道具を上手に使っていると驚く

時代の道具を使うのは実に難しい。
色々な可能性があるということは、逆に言えばどうすればいいかわからないとも言える。
絞れなければ市場は生まれない。

嘗てパソコンメーカーの多くがマルチメディアを声高に叫びあらゆる可能性に投資したが、
ほぼ全てに近いほど壊滅的な失敗の繰り返し経験している。
私もその場に遭遇したことがあるので実感することろである。

その理由はタイミングが非常に難しいからに思えた。

一歩先に出れば出すぎている。
半歩先に出なければ先駆者にはなれないように今は思う。
これは極めて困難なさじ加減で、最早偶然に支配された次元だ。
いずれにせよ時代と噛み合うことが大切であり、
パソコンメーカーやソフトメーカーは圧倒的大多数が苦渋を舐めたろうに思う。
それは今も変わらない。

ニコニコ動画はネットという道具を上手に扱えている稀有な企業に感じる。



広告収入のみに頼ることなく利益を出している。
なかでも実に巧みに融合できているなぁと感じるのがアニメがある。
これはアニメ業界に与えた影響も非常に大きいだろうと推測する。

TVという存在は最早過去のものに感じる。
何せTVがある場所と時間にいなければいけない。
録画してあっても、最低限TVのある部屋にいかなければいけない。
しかし、
ネットであれば、デスクトップPCは別にして、ノートやパッドは場所を選ばない。
スマホは更に場所も時を選ばない。
こうしたものに慣れると、庭石のように鎮座ましましているTVは単なる家具とすら思えた。

しかも、
一般公開されているものであれば、放送中であれ、放送後であれ、いつでもどこでも見ることが可能だ。
多くの場合、期間を過ぎたものは有料化される。
正直なところ値段が若干高い気がするが、今後更にサービスが改善される兆しも感じる。
今は他メディアとの多面的相関関係もあり、その上でかなり綿密に計算された妥当な金額に思える。
今の作品を見て興味がわけば過去の作品を一気に見ることもネットなら簡単だ。
TVではそういかない。
DVDで借りるにしても、一手間どころではないし、相応な金額がかかる。

何より秀逸なのは茶の間感覚で見知らぬ人と見れる点だ。

見ず知らずの人たちとワイワイとコメントを書き込みしながら見る作品の面白さは別種のものだ。
コメントは随時更新されるため、同じ番組を何度も見てしまい、しかもそれでいてコメントが変わるため面白さも微妙に変化する。
ニコニコ動画はさながら現代の街頭TVのようなものだ。
これはYouTubeでは出来ないだろう。ニコニコが育んだ文化なのだと感じる。
以前あった下劣過ぎるコメントも本当に減った。
多少品性を疑うコメントがあっても、ア4な子供たちと見ていると思えば実に愉快だ。
余りにも不快なコメントは、NG登録しそのユーザーをシャットアウトすることも実に簡単だ。

制作者側としても利点は多い。
先行配信で人気の程度、問題点を本放送前にある程度予測を立てることが出来る。
そうすればどの程度の予算でいこうかと検討材料になる。
当然ながら余りにも人気が無ければ本放送なく終えるだろう。
それは制作者側、スポンサー側としてもダメージを回避することになる。

逆に、想定外に人気が出ればスポンサーを募ることも出来るかもしれない。
いずれにせよ、バクチを打たなくていいのだ。
これは映画にも言えるだろう。
邦画は特に「映画にする意味あります?」というような程度のものが相当数多い。無駄に思える。
人気を得られる番組なら、いっそ映画にしてしまうという方向転換も可能かもしれない。
例えマイナーな作品でもあっても、特定のパイが見込めれば予算に応じだ作品を工夫することも可能だろう。それが思わぬ大ヒットにならないとは言えない。

これは芝居や音楽ライブ、落語にも当てはまる。
見てみて興味がわけば足を運びたくもなるだろう。
映画やアニメと違い、芝居や音楽、落語の作品の完成形はライブである。
芸術作品もそうだ。直に見ない限りその作品の素晴らしさは最終的にはわからない。
五感に訴えるものだからだ。

ニコニコ動画はそれらをサービスに融合するのが実に巧みに思える。
一時期終わったなと思うこともあったが、柔軟に動いた結果が今のある種の成功を生んでいるのではなかろうか。

以下の作品。
一人でみても面白いが、ワイワイと見ると本当に面白さが増す典型的な作品だ。
わずか4分程度のものなので興味があればご覧頂きたい。
なお公開から2週間限定だったと思う。来週で見れなくなるので悪しからず。

男子高校生の日常『男子高校生と凸面鏡少女』先行配信ver.


この中で興味深いのは、
女子高生の発言に一喜一憂する登場人物に対し、ニコラーも同調している点だ。
バーチャルとリアルが同期している。
勿論ながら会って接することが最上である。
本当のところ生に接しない限り真に得られるものは少ない。
それでも既にある事象を有効に活用する時、これはきっかけとして大いにアリだと思う。

以下のアニメは先行配信だが、先週の作品も面白かった。
男なら誰しもプッとしてしまうエピソードである。
こういった作品が出てきたのも今の時代ならではだろう。
お金はいかにもかかっていないが、それでも面白いものは面白い。
この回は今週で公開が終わる。