2011年12月2日金曜日

ITmediaニュース:プレイ動画投稿は示談金支払いで決着 「徹底抗戦」したゲームメーカー

プレイ動画投稿は示談金支払いで決着 「徹底抗戦」したゲームメーカー
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/30/news081.html
(引用)
自社ゲームの「プレイ動画」を「ニコニコ動画」に投稿されて著作権を侵害されたとして「徹底抗戦」を宣言していたゲームメーカーがこのほど、投稿者が示談金を支払うことで決着したことを明らかにした。


(私見)

元売る側だった身であり、今見る側である私としては興味深いニュース。

まず始めに一般の方のソフトウェアに関する認識は恐ろしく敷居が低いという事実があります。
私の社会人スタートはジャンルは違えど開発する側にいた人間なので、
その生命を削ってプログラミングする現実を知っておりますし同時に体感してもおります。

一般の方の意識、認識の低さたるや背筋が寒くさえなるものです。
「たかがソフト」という認識の方は多く、制作者側への敬意は皆無に等しいことも。
これは日本人の精神が地に落ちた証でもあり、
なるほどフクイチの人災に対する政府や電力会社の対応もこの延長線上にあると肯けてしまうものです。

基本前提としてプレイ動画というのはかなりあからさまな違法行為にほかなりません。
が、それらを全て違法として切り捨てるのは今からでは遅いようにも思います。
むしろ徹底摘発することで企業活動の妨げにすらなりかねないと推測します。

これは世界が当初遭遇したハッカー問題の同じように思えます。
全てを摘発するには最早ネットワークは世界的な広がりで不可能だったように思います。
ハッカーによりコンピュータ技術が更なる発展を促したのも一方では疑いようがない事実に思えます。その後彼らはメーカーに雇われました。技術が高く社会性のある人々は極めて有益だったからです。

中古ソフト問題もそうでした。完全解決はみていませんが、
この問題も完全排除するには時期を逸していました。
中古ソフトを買うユーザーは少なからず購買意欲があるためメーカー側からすれば完全にいらない存在でもないものと考えられます。意欲がない人は新品中古関係なく手を出しません。

プレイ動画もそうです。
私は今全くゲームをする気がありません。
というより、時間が上手に扱えないためゲームをしたくてもする時間がないからです。
仕事の2時間というのは長いものですが、ゲームの2時間はあっという間です。
そこで、
昔を懐かしむ感覚と、今のゲームはどうなっているんだろう?という興味で見ています。

実況動画は見ている側のカタルシスを与えます。
確実に自分が遊んだ気になるのです。
一定の満足を得られるでしょう。
それにより販売本数の下落もなくはありません。

しかし、それで得られるカタルシスで満足しきるユーザーは、
そもそも買わない、買えないユーザーが大半なのではないでしょうか?
買えるユーザーは見た刺激で、「面白そう!遊びたい!!」となるでしょう。
勿論、ツマラナイ作品で相手を騙すことは確実に出来なくなったでしょうから、
一面では販売本数が減るのは確実でしょう。
しかし、見たことで知らなかったそのゲームの良さを知ることも出来るので、
良質なゲームはむしろ販売本数を伸ばすでしょう。

これはあたかも映画における映画館とDVDの関係に似ているように感じます。
掃いて捨てるような作品かと思っていたら、DVDで評判がいいので借りて見てみたら面白くてファンになる。好きなものは手元に置いておきたい。もしくはシリーズは見るなど発展していきます。
ゼロはどこまでいってもゼロです。
これはDVDプレイヤーが爆発的に普及し、レンタルDVDが許されたからこそ起きた現象のように思います。
だからこそ今の日本映画は大量に垂れ流せるまでに至ったと考えます。
計画時にDVDの売上も見越して制作費を当て込めるようになった。
DVDが無ければこうはいかなかったでしょう。
けして余談を許さない現状ではあるでしょうが・・・。

これらの本質には、
「ちゃんと作りこまれた作品は一定の成果を得られる可能性ができた」
といえるように思います。
ちゃんと作りこまれた作品には、少なからずのファンが出来ます。
大いにヒットするかどうかは流行や運の要素が少なからず強い。内容が良ければ売れるというのは昔から幻想に思います。
少し前まではタイミングの要素だけで売れ、内容のカスカスなものが売れていました。
メーカーサイドは「ざまーw」でしょう。売り逃げです。
しかしユーザーを裏切った会社はそれなりの心の負債を貯めこむことを真摯に受け止めるべき時代がきたことに気づくべきでしょう。
ユーザー側はその力を得ました。
それがネットであり、SNSやtwitterや投稿動画なのではないでしょうか。

投稿動画全てを排除することは不可能でしょうし、
そうすべきではないでしょう。
さりとて、かつて映画会社がそうであったように権利の剣を振りかざしユーザーをメッタ斬りにするべきでもありません。
ユーザーも義務をわきまえるリテラシーが必要になってくるでしょうし、まずいことしたら頭を下げる潔さも大切だと思います。
メーカーとユーザーはお互いが共生関係にあります。
どちらかが絶滅しても成り立ちません。

やはりこれは業界で話し合いガイドラインを作るべきでしょう。
R指定のような具合です。
拘束力がありながら、それほど厳しくない。
発売後半年以内は動画掲載禁止とか、
ガンガン上げていいとか、
ジャンルやタイトルごとに性質は異なりますので全てをバッサリ一様に切ることはすべきではないように思います。

私が見たプレイ動画でPS3のキャサリンというゲームがありました。
最後までみてカタルシスを得られましたが、
PS3を持っていたら「やりたないぁ」という感覚は今でもあります。
これはパズルゲームだったから、といえる部分も大きいです。

今回問題になっているのはエロゲといわれるもので、
R18指定のゲームでしょう。
この手のゲームは基本的に紙芝居のようなものでほぼ一本道に近いもののように推測します。
こうしたものは物語を追ってしまえば全ての内容を公開したと呼ぶのに等しいものです。
挙句に新作であれば、メーカーに与えたダメージは相応のものに思います。
それをみて余程好きになり買う人もいるのでしょうが、
内容のほぼ全てであれば、やはり迷っていた人は満足しきってしまう人は少なからずいたと考えられます。それなりに高額の商品でしょうから。
ただ、メーカーの書き方には正直違和感をおぼえます。
経緯が一切かかれず結論が唐突にあり、肝心な部分は秘密です。
これはまるで某電力会社の答弁のようです。
正直これはいただけません。

カツカツでやっているメーカーは本当に大変だと思います。大多数はそうでしょう。
開発費には1千万から数億とやすやすとかかってしまいます。
これは丹念に計算すれば専門知識がなくとも意図も簡単に想像出来ます。
私も昔を思い出すと胃が痛くなりそうです。(苦笑)※私が開発していたのは事務系システムでしたが
大げさでも冗談でもなく、結果的にであれ命を削って従事しているのです。
「エロゲに命かよ!?」と言われる方もいるでしょうが、
それこそ余計なお世話であり、
何より「他人のふり見て我がふり直せ」で「じゃーお前はなんなんだ?」と言えそうです。
本来仕事とは外野からみたらそういうものです。

そんな中で映像の差し止めや交渉をするのはそれだけで大きな負担だったでしょう。
そういった点ではユーザー側も、もっとリテラシーを学ぶ時です。
ヘタレた同士なじり合ったり、斬り合っても雲上の連中を楽しませるだけです。
映画「カイジ」にありましたよねそんなシーン。(笑)
ムスカも言ってましたよね。「人がゴミのようだ」
フザケルナです。

師は言います、
「振り回されるからいけない。
振られた力を余すことろなく受け止め、
その力のままゆけばいい。
すると自分では気づかなかった新たな発見が必ずある。
それはそれとして自分は歪めない。
すると、一見遠回りに見えても、
自分が思ったようなルートとは違っても、
思いもしないルートでゴールに辿りつく。
これが他力だよ。
どんな天才であっても一人の力なんてたかがしれている。
どんな力であれ、人様の力を借りるんだ。
でないと大きな仕事は出来ないよ」

日本人が昔から言う、「お互いさま」を考えるべき時のように感じました。