2010年7月19日月曜日

「明治人の姿」

最近なるべく本を読むことにしている。といより、TVも映画もゲームも、ラジオすらも何もかも面白く感じなくなってきたからというのが大きい。本の面白さを改めて痛感する。以前は好きなSF小説を読むぐらいだったが、最近は読むジャンルが随分変わった。

今日読み終わったのが表題の作品。ジャーナリストである櫻井よしこ氏の執筆だ。明治時代を生きた日本人の姿を、「武士の娘」の著者を通して解説している。まさにかのような姿であった母方の祖父母を思い出した。母方の祖母は武家の系統だと大人になり知った。実際、躾には煩かった。しかし私は不思議と嫌じゃなかった。どこか心地良い緊張感があり、ある種の憧れを感じた。祖母の言葉は厳しく律していたが、瞳は真剣で言い終えた後の笑顔は慈愛に満ちていた。

大人になり郷里を一人で訪れた際にも、「あなた、いつまで寝ていらっしゃるの?!起きなさい」と、幼子のように言われた。「心底呆れた」という顔の後に、温かい笑顔が溢れた。子供の頃、遊びにいった時のある出来事が痛烈に、昨日のことのように思い出せる。
「お先にお風呂頂きますと、お祖父様に言いなさい。まー躾が出来ていていない」と一喝。、
考えもしかなった言葉と、その鬼のような形相にビクっとした私は、かろうじて「お先にお風呂頂きます」と、頭下げる。そんな私に「よかよか」と爺。そして「それでいいのよ」と温かい笑顔の婆がいた。その笑顔を今まで見たことがなかった。あれが明治人の姿なのだろう。厳しい中にも真剣さと慈愛が内包しており、現代のような一方的な命令では決してなかった。

今も、祖父母の面影は私の潜在的な支柱となっている。