2011年7月6日水曜日

「風の谷のナウシカ」を読みました

漫画が嫌いな人も
好きな人も、
映画を面白いと思った人も、
つまらないと思った人も、

これから日本がどうなってしまうか心配で仕方がない人、
得体の知らない不安が日々に浸かってしまった人、
今何を信じ、どうしたらいいのか本当に迷いそうな人、
無力感に苛まれ気が挫けそうな人。
そういった方に是非とも読んでいただきたい。

1回読んだだけでは全てはわからないかもしれません。
2回でも、3回でも、よくわからないかもしれません。
でも、読めば読むほどに、岩に染み入るがごとく様々な言葉が身体に染みわたると思います。

一部ご紹介いたします。



「憎しみも怒りも消すことはできない。
 だが今は決闘の権利を保留する」

自らの親を妹を故郷を全てを奪った仇敵の御大将に斬りかかるも、
今はそれどころではないことを諭され剣を収めた時に言った、
ペジテのアスベルという少年が言った言葉です。
福島の方々の今のお気持ちは彼と同じ心境だと思います。

「われわれは今回の破局の規模すら判っていない・・・」


汚染の謎を探るため世界を旅をし、
古代の技術にすら見識のある、剣豪明晰に聡明な人が
慄き語った言葉です。

彼は主人公のナウシカが尊敬し、先生と仰ぐユパ。
私達も同じです。
今の段階では、震災や、津波、更には福島で起きている事故の規模すら
正確には判っていないでしょう。
それがわかるのは暫く後のとこになりそうです。

「これは人智をこえた災害です。
 憐れな弟は屍すらみつけられません」

3分の2の部隊を失ったことを軽微と報告し、
自らの非を悔いることも、謝ることもなく、
このように言い放った暴君らの言葉です。
政府や東電はしきりに「想定外」を連呼しましたね。

「もうこれ以上
 死んでも
 殺しても
 いけない
 生きろ・・・・と」

皇帝を殺せといきり立つ大衆に向け、
今は殺すことではなく、生き延びた人々を助けることが先であるということを、
ナウシカを慕う者が代わりに伝えた言葉です。

おいおいまたご紹介したいです。
あんまり書いちゃうとネタバレになってしまいますが、
判ったからといって面白くなくなる物語じゃないと思います。




この漫画を読むのは6年以上ぶりでした。
10年前、読み返したくて実家の倉庫より引き上げていた7冊のオリジナル版。
たった7冊とは到底思えない広大な世界と濃厚な内容。

今の日本は「風の谷のナウシカ」に描かれている世界の状況に
極めて近いものを感じてました。

現代の日本は、
この期に及んで政権争いにのみ身を投じる政治家達。
汚染された食物を全国に拡散させようとする人々。
完全に先導され事実を知ろうとすらしない人々。
事故が収まる予兆すら見せないのに、
運転を再開させることにのみ注力する懲りない人々。
更なる地震がおきても意に介さない権力者。

漫画では、
汚染され狭くなった土地を(恐らく放射能を想定している)
なお争いでのみ奪い合おうとする人々。
愚行が更に住める土地を狭め、
更に一層の争いを広げることに身を投じる人々が描かれています。


「生きましょう。この星にすべてをたくして」

この言葉に全てが集約されているかに思います。