2011年3月19日土曜日

鈍感力

昨日TBSラジオDigの投稿で、
「両親が節電に協力せず決定的に亀裂ができた上に被災地の方に対して申し訳なくて無力感に苛まれている」といった内容でした。

これを聞いて、以前に野尻先生が言っていた「鈍感力」について思い出しました。

「今の日本は敏感であることが何にもまして正しいように言う風潮があり、
実際やけに敏感な人が多いようだけど、
敏感ってのは大変でね、余程ものごとがみえている人じゃないと、
自らを酷することに他ならないよ。むしろ鈍感力の方が大切だと思うね。
だって皆どうでもいいことに敏感でしょ。
それでいて本当に必要なことには一切気づかない。
本当に敏感なの?って言いたい。
ぽやーっとしていた方がいいんだよ。
頭が空っぽじゃないと、入ってこないよ。
お腹一杯なので食べろって言われても限界があるでしょ。
それと同じで、普段は鈍感じゃないとイザという時に鋭敏ではいられないよ」

ある夏の暑い日でもそうでした。
生徒さんのテーブルをザッと雑巾で拭きました。
その雑巾はやたら墨まみれで汚れているのですが、
野尻さんはメガネをとると、なんの躊躇なくその雑巾で顔を拭いたのです。
驚いた私は、
「え!?先生、それは・・今拭いた雑巾ですよ!!」
と焦って言うと、
「そうだよ。わかっているけど?」と応えました。
「ええっ!?だって、その・・・今テーブルを・・・」
「あぁ、大丈夫だよ。テーブルを拭いた裏側でふいたから」
「いや、そういう問題じゃなくて、その雑巾かなり汚れているようですが・・・」
「あのねマッちゃん・・・」
とここで、やや呆れたように、諭すように言葉を連ねました。

「平気だよこんなの。こんなんで人間はどうこうはならないよ。
でないと昔の人は誰一人生きてはいないよ。
むしろ現代人は綺麗にしすぎたから弱ってるの。
時々、こういう雑菌に晒して、鍛えておかないと駄目なんだよ。
ほーら、平気だよ!!」

と言って、顔を雑巾で余計に拭きだしました。
「わかりました!すいません、もうわかりました。結構です!!」

この投稿者の方の気持ちはよくわかります。
うちの親も電話で話した限りにおいては節電にかんする意識格差は大きいです。
昔の私なら「その程度は節電?!」と口喧嘩になったかもしれません。
でも、
今はこう考えるんです。
「今はそれが精一杯なんだろうな」
だから私は言いませんし、逆に親に「あんたそんなことして風邪でも引いたら本末転倒でしょ」と言われましたが、「そうだね、だから風邪は引かないように十分注意したレベルでやってるつもり」と言いました。それぞれ人間が違うんです。

私はどの程度の部類かわかりませんが、電灯は1つを半灯にして、消費電力の少ないノートパソコン1台、モデム、ラジオ、電話、Fax、携帯、冷蔵庫にぐらいかな。後は全部けしています。コンセントもスイッチ式なのでオフにしてます。トイレなどは手巻式非常灯をもって移動してますので、つけません。(これがやたら暗くて笑う。色もオレンジだし) 冷蔵庫の温度設定は1ですし、保冷剤も大量にいれてます。

結構やってる方だとは思ってましたが、実際は輪番停電に入らなくとも自主停電をされる方もいますし、毎日午後7時には寝てしまう人もいます。そういう方達からしたら私も全然十分とは言えないのです。皆それぞれ出来ることをココの判断でしているのだと思います。「お前なってねー!」といっても「お前もだろ!」では負のサイクルは避けられません。ココは一つ、親との生活は親や子に歩みよりをしつつ、自分のテリトリーの範囲内。自分自身が出来ることは自分の判断でやることがいいのだろうなぁと考えます。

今はそれぞれが、それぞれのリテラシーを最大限に発揮した上で、
「お前がやれ!」「お前もやれ!」の前に、
「俺がやる!」
「どうぞどうぞ」のウエシマ作戦でもいいのではないかと感じました。
そうした考えをもっていることそのものが被災地の方のために私はなっていると感じます。

まずは自分が出来ること、これに集中する。
それには意識的な鈍感力を大切にしたほうがよさそうな気がします。