2016年9月29日木曜日

人間:香りという抗えない刷り込み、金木犀の呪縛

バキュームカーの臭いをチョコの香りに 4社が共同開発
2016年9月29日18時43分
http://www.asahi.com/articles/ASJ9Y4TPJJ9YULFA01C.html?iref=comtop_8_04
便を回収する衛生車(バキュームカー)から出る不快な臭いをチョコレートのような甘い香りに変える技術を共同開発したと発表した。

(私見)

KO☆RE☆WA(笑) 凄い技術なのかもしれませんが・・・。いや・・・ちょっとそれは・・・チョコレートは好物なので・・・。まあ、私はもう刷り込まれるような年齢ではないですが。ただ嗅覚という体験は意識、無意識をも凌駕する原始的体験に思いますので、出来るだけ・・・ね~。

このニュースを読み金木犀の呪縛を思い出しました。

ここ数年、ようやく解けたのです。
こう聞いて 「あ~!わかる」 と即入ってきた方は同時代を生きましたね。

トイレの芳香剤が登場した際、どこの会社も全て 金木犀 だったんです。
当時、子供だった私はこの香りの正体を知りませんでした。
何せ聞いたことも見たことも触れたこともありません。
実物を知らないのです。

金木犀の香り=トイレ=金木犀 と完全に刷り込まれます。

当初 「このいい香りはなんだろー!!」 って凄い心地よかったのですが、それも極僅かな期間であり、ピークを過ぎれば 「しつこいな・・・」 と感じるようになりました。
そして、この香りを嗅ぐと不快感が芽生えだします。
そこで母に 「この香りはヤメて欲しい」 と言うと、大人は観念的に嗅いでいるのでしょう。
 「こんなにいい香りが嫌なんて、あなたおかしいわよ!?」 となります。
大人は刷り込みが完了しているので子供とは受け方が異なります。

次第にトイレ芳香剤は金木犀以外も増え、香りのキツイ従来のものから上品なものや、柑橘系など多種多様に変化していき記憶が薄れていきます。それでも私はこの不快感の経験から、自活するようになっても芳香剤は一度も置きませんでした。

芳香剤の香りはどれも単純で不自然。
それが私の中に得体のしれない居心地の悪さを残しました。
なので無臭消臭剤が出た時は大喜びです。

大人になりそんなことも忘れ10月頃街を歩いていると
「あ、トイレの香りがする!?」 と気づきます。
どこかでトイレの窓を全開にし、芳香剤を効かせまくっていると思いました。

「こんなに香るぐらいなら、丸出しだろうに・・・大丈夫かね」

数年後、母と一緒に歩いているとまた。
「あ、またトイレの香り・・・なんかいつもこの時期だけするんだ?・・でも何か違う凄く豊か」と私。
すると母が 「え?・・・あ~金木犀でしょ。いい香りじゃない」 と一言。
そこで初めて、実在の植物の香りだと知ります。(;´∀`)アイタタタタ
「あれよ。アレが金木犀」
母が指し示し、嗅いでみます。

「おおおお、トレイの香りだ!」

母は当然驚きます。
「トイレじゃなくて金木犀でしょ」
そこで先程の話をするのですが、綺麗サッパリ忘れている。
受け入れられないようなので話を切り上げます。

どっこい香りとは怖いもの。

何度かいでもトイレしか思い浮かばない。
これには困りましたね。
金木犀は私にとっては トイレの香り で刷り込まれている。
この時期になると必ず金木犀の側により、目で見て、手に触れて、鼻を近づけ、
「これが金木犀」と確認します。
ところが、何年たっても自分の無意識下ではトレイの香りであり続ける。

呪縛から解き放たれた要因は、香りの差でした。

実際の植物の香りというのは芳香剤より遥かに豊かなんですね。
先に来る強い香りよりも、次に来る、更にその次に来る香りが、どれも違います。
毎年違います。微妙に。その差に気づき、出来るだけ感じ、自分の奥底で初めて「あれ?トイレ・・・じゃない」という感覚が芽生えるのを感じました。

そこから数年して呪縛から解き放たれたような気がします。