2011年10月3日月曜日

東京都現代美術館:フレデリックバック展

3ヶ月なんてあっという間ですね。(笑)
2回は見にいこうと思いながら、あれよあれよと最終日。
1日だけ延長され3日の今日までやっておりました。
ギリギリ間に合う。
しかも、平日であるということと、延長されたのが知れ渡っていないのか程良く空いていて鑑賞には丁度いい感じでした。
むしろ平日の昼間でこの人数は多いなぁ。



3時間もあればいいだろうと15時頃に着。
MOTに来たのは初めて。なかなかどうして!遠いw
木場駅から歩くこと16分で到着です。放射能さえなければいい公園がありますね。

侮っていました。
充分満喫出来る時間だと思ったのですがボリュームがすごい。
最低3時間半。出来れば4時間欲しかったと悔いる。
しかも本券をもって常設展も入れるようですが、到底時間も体力も足りず。
常設展も考えると最低5時間は欲しかった。
とはいえ、丸3時間でもグロッキー。完全に足が棒です。

展示方法には異議あり。

フレデリックバックさんの名を知らしめたアニメーション「クラック!」から近年までのアニメーションの展示、いわば一番の見せ所が最後の最後という構成。足が棒でフラフラの上、時間がない。係員から「あと4部屋ありますのでお急ぎください」と声をかかる頃には閉園6分前。「うっそ!」と驚き、慌ててみると一番観たかった部屋が集中していました。
ここだけでも1時間は見ていたいのを涙を飲んで要所だけ集中して見て6分オーバーで出る。まだ客はいた。ギリギリまで見ても良かったが、追われるように見るのは落ち着かない。
「木を植えた男」のセルを見て自然と涙が滲んでしまう。素晴らしい。セル1枚1枚が既に素晴らしい。あー・・・肝心んな部分が・・・悔やまれる。それにしても素晴らしいボリューム。素晴らしい内容でした。最終日でギリギリでしたが、一番の見せ所が駆け足でしたが、それでも見れて良かった。

アニメーション作家と思っていたのですが、それは結果論だったんですね。
たまたま行き着いた先がアニメーションだったに過ぎかなったのかと感嘆しました。

若かりし頃の膨大なスケッチ!!
ほとんどマトモに描き上がっているものが少ない印象です。
所謂完成品とおぼしく絵は多くはないですね。
でも、あの膨大なスケッチが後のアニメーションを描く上での源になったのは疑いようもない。
やはり野尻先生が常日頃から仰っている、
「入れた分しか出ないから」は本当にその通りなんだと痛感。


それにしてもカナダに渡って結婚してからの想像するに余りある多忙ぶり。
よくあれで身体を壊したり、重病を患ったり、急逝しなかったものだと驚きます。
肉体的才能もおありだったのでしょうが、それにしても凄い。

にも関わらず、
昼は教職やラジオ・カナダの仕事をし、別枠で絵のお仕事。
TVのタイトルがからメニューからポスターから、
終いにはセットのデザインから製作に、ステンドグラスや教会のプロジェクトにまで!!
一体全体一日がどうなっているのか!?

農家の手伝いをしていた時には2時間スケッチの時間をわざわざもらったり、
教師時代には仕事が半ドンで開けてはスケッチをしに出かけ、休みがあれば一人、もしくは家族で外出しスケッチに勤しんだそうです。驚きます。
テレビの製作の中では時間がないため1日に10から15枚もイラストを描いていたというエピソードもありました。
あれを読んでしまうと、「忙しいから出来ない」というのがいかに言い訳に過ぎないかを思い知らされます。やはり我々現代人は無駄なことをし過ぎているのでしょうか。

師匠の仰るように、やはり書家なら書いて書いて書きまくる。
画家ならスケッチしてデッサンして描いて描いて描きまくる。これが基本にして絶対なんですねぇ。
唸りました。
そして、何も几帳面に完成させてから進むという硬い考えもいらないんですね。

氏の歩みが明らかに後のアニメーションに大いなる糧になっているのは明白でした。
「入れたものしか出ていないわけです」
後年の氏の絵の素晴らしさときたら、本当に眼にするだけで愛が溢れているようで、涙が出ます。

神保町の映画は遂に行けませんでしたが、10月から近所の映画館で追加公開されることが決まっておりますので、それを観に行きたいと思います。

蛇足ですが、
結婚後、妻と生まれた子を思い、農家の手伝いではお金が乏しく、(日給1ドル)新たな職を探さなければというメモがあったり、運もよくて、その後に絵の師匠の弟子に幸いにも出会い、教職の仕事やイラストの仕事を得られたり、更には収入がいいからと嫁がラジオ・カナダの番組の中で新番組のスタッフ募集に応募するように道を指し示したりする辺りは、流れにのっとった人生を歩んだなんだなぁとつくづく感じました。それにしても、どこの国も女性も同じなんですね。(笑) そもそも文通はしていたものの、カナダの自然と彼女に胸うたれて自転車1台と、今まで描いた絵と、30ドルだけもって渡り、3日後にプロポーズして結婚とか、とにかく行動力が桁違いに凄い。常に愚直なまでに素直にとりくむバック氏に深い感銘を受けました。